豊沢字石堂野26の1に所在します。山号は西運山といい浄土宗に属します。ご本尊は阿弥陀如来です。創立は元和2年8月(1616)開基は西誉浄運和尚です。今までの本堂は、庫裡と座敷と1棟続きになっていて間口9間奥行4間の建物でしたが、いつ建立されたものか棟札がなく不明です。最近腐朽が甚しく今年60年5月31日に解体の上、建坪を縮小して60年8月5日新築落成いたしました。建設委員は区長白井邦雄、副区長長井上治、寺世話人井上豊、井上六三、白井一則の各氏です。荒廃した寺を再建することは至難の業で信徒始め各役員が献身的な努力を重ねて建設に従われたことは社会に益するところが大であろうと存じます。当寺はこの区の中心的な存在で公会堂を兼ね、消防器具庫や火の見櫓、精米所、ファーブポンド等が集中して設けられ、去る58年1月31日に竣工した豊沢老人憩の家も境内に建てられています。その建坪は99平方米で町では4番目の設立となり、大いに地域文化の発達、福祉の向上に役立っています。
延宝5年11月(1677)建立の西国三十三番観音順礼碑と享保年間(1716-)に安置された大日如来石像があります。寺領として3反7畝ほどの田畑山林がありましたが農地解放で失ないました。なお当寺は無住です。
広報みと:❼文化財 (寺) 昭和60年10月15日号より