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御津町商工会

④守公神社

弘法山をあとに音羽川に架かる楽園橋を渡り、かつて豊川海軍工廠の従業員住宅街であった新青馬町の街路を北へ300m進むと、守公神社がある。
守公神社は、国府の守護社として他国にもあることから、三河国府と関係のある神社とも考えられている。守公神社を含むこの辺りには的場遺跡があり、かつてはこの遺跡を三河国府跡とする説もあったが、市教委員会の発掘調査により白鳥町の総社周辺に、奈良・平安時代の国府跡が存在したことが明らかとなっている。ただし、守公神社が所蔵している銅鐘に「三河国宝飯郡府中」の銘文があり、この中の「府中」は国府関連地名であることから、中世の三河国府鎮護の神社であった可能性もある。

銅鐘【市指定有形文化財】(見学できません)
守公神社の拝殿内には、高さ70㎝、直径46㎝の銅鐘が吊るされている。これには「敬白 三河国宝飯郡府中守公神十方檀那勧進所 願成就如件 応水23年 丙申11月15日」の銘文があり、応永23(1416)年に製作されたことやこの辺りが府中とよばれていたことが分かる。銅鐘は本来寺院にあるものであり、明治時代以前の神仏習合の名残りをみることができる。

    豊川の歴史散歩:❹東海道沿いの町を行く 平成25年10月発行より