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御津町商工会

③ 矢落社の由来

上佐脇字林田(旧字)にある。
むかし、鎮西八郎為朝が当地通過のとき、即製の弓を作り、為当というところから900余間(約1640メートル)の遠矢を放った。矢は標的と定めた松に当って落ちたといい、そこに矢落社という小祠を祭ったといわれる。この松を矢落の松といい、幕末か明治初年まで存在したが老衰で枯死したようである。この松の第一番の枝を伐ってちょうどそれが臼の太さに適していたので、直径65センチくらいの臼を3~4個製造した。
松のことで腐朽し易く現在二臼だけ残り村内の人が保存している。
矢落社は当村の中村氏の氏神として今なお、その本家邸内に奉祀されてある。因みにこの上佐脇村には各氏毎の氏神様が、産土神とは別に奉斎されている。即ち、桑野氏天神社・大林氏若宮八幡宮・久保田氏天王社・竹尾氏八幡社・羽田野氏天白社・荒木氏山ノ神社・別の中村氏天王社とこの矢落社とを合わせて「8社8苗字」というよびながある。この中村天王社を除き岩瀬氏弁天社を加えるのだとの説もある。

         広報みと❹郷土の伝説 昭和50年12月20日号より