赤根の北端の天王という地内(蒲郡市相楽町と接するところ)に丘陵があり、その頂きに前方後円墳があります。後円部と思われるところは既に開墾されてみかん畑になっていますが、開墾時に石室につかわれていた巨石が動かされて、数個が露出し散乱しています。
古墳の長さも20mくらいはありましょうか。
開墾された畑からは、はにわ片が採集されています。この地方では数少ない前方後円墳として貴重なものでしょう。
大昔にこれほどの古墳が小高い天王山の頂きに造られたことを思いますと、当地方にゆかりのある豪族か、権力者を葬ったものではないでしょうか。
丘陵の頂きに立てば、北は御堂山を中心に旧大塚村を囲む三方の山、南には風光明媚な三河湾が一望でき、眼下に大塚、赤根、大草の里が見渡せるところでした。今は片田舎ですが、どんな人物が住んでいたのか、史跡とともに調べてみるのもロマンに満ちた楽しみではありませんか。
工業団地、宅地開発等がめまぐるしく進められる現代、今一度私たちの先人の歴史を探訪することに価値を見つけたいものです。
みと歴史散歩:❺海沿いの道 平成12年2月発行より